
新郎の親族は遠方から来たため、
式が終わるまで、このようなダラムシャーラーをまるごとおさえてありました。
今日はまだ、新婦と一緒ではありません。
親族が20人くらい集まったところで、お昼ごはんを食べ、15時前からヘナ開始。



新郎の手にヘナを施したのは、主婦の方でした。
こういったことをずっとやってきた方で、言ってみれば「セミプロ」なのだとか。
プロに頼むと、最低でも1100ルピー。
しかしセミプロなら、自分にできる範囲のギフトでよいのだそうです。
新婦の場合は、セミプロに描いてもらうというわけにはいかず、
3000ルピー〜4000ルピーを支払ってプロに描いてもらう必要があるそうです。
腕の内側が終わりました。
新郎、指を少しだけ曲げてしまい、デザインが崩れ、描いている女性が舌打ちをしました。
腕の外側に入りました。

新郎の目上の女性(お兄さんの妻)がやって来て、真剣なまなざしでチェック。
「ここ、もう少し密に描いて」

年長の女性が、お皿を持って入ってきました。
彼女の指が赤い液体をつまみ、親指の指を下に向けて、新郎の額をこすりあげ、
さらにその上にライスを一粒のせました。
描いてくれている女性にも、私にも、同じように祝福を与えてくれます。
さらに彼女は左上のお菓子を新郎の口に押し込み、
次に、下のパーンもちぎって新郎に食べさせました。

甘酸っぱくおいしいパーンでしたが、好き嫌いがあるようで、いらないと言う人もいました。
(甘いお菓子も、食べない人もいます)
パーンは、最後には飲み込むということでした。

ヘナペーストはこんなに大量に用意されていました。
新郎だけでなく、親族たちの分も必要だからです。
親族たちは、お互いがお互いの手に、あるいは自分で自分の手に、好きに模様を描いていました。



私の手足にも描いてくれましたが、途中で誰かと交代したりするので、
ある一定のパターンだけをひたすら展開させていく人、考え考え描いていく人、
いろいろな人に描いてもらえて面白かったです。
みんなで見物。
さて、新郎のヘナはまだまだ終わりません。

少量のお砂糖を溶かしたレモン汁を、脱脂綿にたっぷり含ませ、
ペーストの表面がややかわいたところにパッティングしていきます。
パッティングの様子はこちら(MPEG形式)

お砂糖入りなので、ちょっとベタベタします。そして、テカります。

手の平側を見せてもらいました。
男女向かい合ったデザインに、新郎新婦の名前やイニシャルが入ることは多いようです。
足に入りました。
この時点ではまだ指先をベッドに置くことができていますが、
じき、指先をヘナで覆われて、なかなか忍耐が必要な体勢を余儀なくされることになります。
しかも、この時点で、描きはじめてからノンストップでもう6時間近くたっています。
それでも、新郎も親族も、つとめて笑顔でいようとしています。
速度は速まっていますが、模様は相変わらず綺麗。
すべて描き終わったあとに、足の指と、足の裏の全面も覆って、ようやく出来上がり!
とっくに夜9時をまわっていました。

よりよい発色のためにお砂糖入りレモン汁をパッティングしたため、肌が光って見えます。
レモン汁は漉していないので、種や果実がちょこちょこついていました。
このように、新婦だけでなく新郎も込み入ったデザインを施すのは、本人たちいわく、ラジャスタニの文化なのだそうです。
ほかのヒンドゥー文化圏ではどうかと尋ねると、それは様々で、
新郎はヘナを施さなかったり、施す場合でも、もっとシンプルだったりするそうです。
手もとの映像はこちら(MPEG形式)


その翌日の指輪交換会における新郎の手です。


手をひざの上において座っていたら、
女性たちや女の子たちに囲まれて、手をひょいっとひっくり返されました。
そして続々差し出される手の平。
顔を近づけあって、楽しそうにお互いのメヘンディを褒めます。


指輪交換会の翌日に行われた結婚式が終わったのは、さらに明けた朝4時。
新婦はそのまま新郎一族の泊まるダラムシャーラーにやってきました。
写真は、仮眠をとった翌朝の新婦の手です。