Let's Mehendi! ヘナタトゥー ヘナタトゥーのやり方
もっと詳しくQ&A
現場直撃(日本編)
現場直撃(インド編)
 

 


メヘンディの知識をさらに深めたい方や、
手順を見たけれど補足説明が欲しい方向けのQ&A集です。

 

黒く染まるヘナをください。
A.

お取り扱いしておりません。

「ブラックへナ」と呼ばれるヘナパウダーを使えば、肌は黒く染まります。
しかしその黒色は、ヘナの効果によるものではなく、黒い化学染料によるものです。
髪を染める分には問題がないとされる、その黒い染料は、
肌に使用すると大変危険で、先進諸国でも、肌への使用が法的に禁じられています。

ステージでの使用など、特別濃い色が必要な場合は、
レシピやペースト作りの過程で工夫をしたり、同じ場所に何度も塗布したりすれば、ほとんど黒に近いこげ茶色にまですることも可能です。
特に手のひらや足の裏では濃い色が出やすいです。

同じくステージでご使用になる場合で、時間のないときは、
ペーストを塗った状態のままでステージに上がるというのもひとつの方法かと存じます。
ペーストを塗ったときの色は黒に近い色ですので、とても目立ちます。
1時間前に描き終わるようにし、すぐに剥がれ落ちてしまわないよう、レモン汁に砂糖をとかしたものをパッティングしておくとよいでしょう。
その際、ペーストが衣装につかないようご注意ください。


緑色が強いほど、ヘナは新しいのですか?
A.

新鮮さの指標として「緑色の鮮やかなものを選ぶとよい」と、よく言われます。
ヘナパウダーは、まず乾燥させ、それを挽いて粉にしますが、
粉にしてから時間が経つにつれ、酸化が進んで緑色から茶色に変化していきます。
それゆえに、「緑色の鮮やかなヘナパウダーのほうが新しい」と言われてきたのです。

しかし、それは本当でしょうか。

6種類のブランドを、緑みの強い順にならべ、
製造日から経過した期間をチェックしてみました。

ヘナパウダー(緑みの強い順) 製造日から経過した期間

ブランドA

7ヶ月
ブランドB 26ヶ月
ブランドC 12ヶ月
ブランドD 12ヶ月
ブランドE

19ヶ月

ブランドF 24ヶ月

確かに、ブランドBを除いては、緑色の鮮やかなもののほうが新しいという法則が当てはまっています。
しかし、ブランドBは、なぜ、26ヶ月経過しているにもかかわらず鮮やかな緑色をしているのでしょう。

答えは、「緑色の染料が入っているから」です。

ヘナ・パウダーは、インド、パキスタン、エジプト、モロッコ、イエメンなどの国々で生産されています。
その中にあって、インドのヘナパウダーの特徴は、ひどいゴミや大きな木くずなどの混入が少ないこと。
インドのヘナパウダー業界の洗練を示す事実かとも思いますが、
反面、インドのヘナパウダーには、ほぼ確実に緑色の染料が入っていることが指摘されています。
上の検証では、ブランドB(大手メーカーの製品)だけが法則から外れていましたが、
ブランドA〜Fのほとんどいずれにも緑色の染料は入っていると考えて間違いありません。

緑色の染料ときいて、まず心配になるのは「有害かどうか」という点ですが、
緑色の染料は、ジアミン系の黒色染料と異なり、
肌への染色能力を高めもしなければ、人体に害を与えるという報告もなされていません。
また、肌を緑色に染めるというような効果もありません。

何の効果もないものを、わざわざヘナパウダーに混ぜる理由はただひとつ。
「パウダーが緑色をしていた方が、客の目に新鮮にうつるから」です。

ですから、「緑色の鮮やかなヘナパウダーのほうが新しい」という法則は、その程度にお考え下さい。
最近では、大手メーカーの出す商品にはまず間違いなく製造年月が明記されています。


ヘナパウダーから、抹茶のような草のような、不思議な匂いがします。
A.

良質のあかしです。
ヘナパウダーには、ややモワッとやわらかい、独特の(強めの)匂いがあります。
「抹茶」「草」「干草」「いぐさ(タタミ)」「土」「ハーブ」などと形容されます。
ツンとした(酸化してしまったような)匂いのものより、抹茶のような匂いのものの方が、新しく、質も良いです。


髪染め用のヘナパウダーを使っても問題ありませんか?
A.

安全性の観点からおすすめしません。

髪染め用のヘナパウダーには、染まりやすいようにと、化学染料が添加されていることがあります。
その中のひとつ、黒色染料(PPD)は、各国で肌への使用が禁止されている物質です。
発ガン性があるばかりか、ひどいときでは火傷のような跡を残すこともあります。
それにもかかわらず、添加した化学物質を明示していない品が多いのが現状です。

また、髪染め用のヘナパウダーよりも、メヘンディ用のヘナパウダーの方がクオリティが高い傾向にあります。
同じヘナの木でも、より新芽に近い方がメヘンディ用として摘まれるようです。

さらに、髪染め用のヘナパウダーは、メヘンディ用のものよりも(植物の)クズが多く、また、粗めに挽かれていることが多いようです。
茎や小枝が多少多くても、砕き方が粗くても、髪を染める分には何ら問題はないのですが、
メヘンディに使うと、コーンの小さな穴から搾り出す際に詰まってしまいます。


ヘナ・パウダーは、パウダーの状態で何年くらい保存できますか?
A.

密閉して冷暗所に保存しておけば、かなり長い期間―たとえば5年でももちます。
ただ、時間が経つにつれて染色能力が落ちていきます。
染色能力を保てる期間は1年とも3年ともいわれ、
メーカーによって品質保持期限の設定も異なっています。


ヘナは肌についても大丈夫なのですか?
A.

ヘナは、人体や動物、植物や革などを染める染料としてだけでなく、
化粧品や薬品としても使われてきたものです。
有害な化学物質の入っているものでなければ、ほとんどの方に対して無害です。
ただ、ごくまれに、アレルギー反応を起こす体質の方がいるというレポートがありますので、
広範囲に施す場合でご心配な方は、前もってパッチテストをしておくことをおすすめします。


ふるいにかけると、ヘナ・パウダーはどのくらい減りますか?
A. 品質の高いヘナ・パウダーの方が、もともとクズが少ないため、減りは少ないです。

中程度の品質のヘナ・パウダー「Sleek」で実験してみました。

茶漉しで2回ふるうと、1〜2割減りました。
大きめのゴミ(包装の切れ端など)や、枝のかけら、葉脈クズなどが取れます。
太い線を描く場合は、ここでやめても構いません。
細い線を描く場合は、
使い古したストッキングの切れ端などにパウダーをのせてこすことをおすすめします。
細かいパウダーだけにしておかないと、いざ描き始めたときにコーンの出口が詰まってしまい、スムーズに描けません。
どの程度まで細かいパウダーだけを選別するかによりますが、やはりここで数割減ります。

質の良いヘナパウダーのひとつ「NB」でも試してみました。
茶漉しに1回、ストッキングに1回通しても、20gのパウダーが19g強までしか減りませんでした。

40gのヘナパウダーから、どのくらいの量のペーストができますか?
A. 水分や油分の量は、
 ・何と何をどのくらいずつ入れるレシピで作るか
 ・気候
 ・そのヘナパウダーの性質や状態
 ・ペーストのかたさの好み
などによって大きく変わります。

ですので、やはり感覚で覚えていき、
ペーストの状態を見てその都度判断するのが一番だと思います。
(水分を少しずつ加えながら練り、油分を少々加えてまた練り「もったり」を目指します。)

ここでは、「目安」をお調べしてみました。
春に、HP-100gのパウダー(NBブランド)を40gをとってボウルに入れ、
人肌程度にさました紅茶とポッカレモンを、今回は7:3くらいの割合で少しずつ加えていき、
ダマがなくなり「もったり」するまで十分に練ってから、
メヘンディ用オイルを20滴ほどたらして、さらに練って、やわらかめのペーストに仕上げました。
→ 40gのヘナパウダーは、150gのヘナペーストになっていました。
   空のコーンに詰めると、約5本分になりました。

作ったペーストが余りました。保存はできますか?
A.

ペースト状態での保存は、おすすめはできません。
保存は出来るだけパウダーの状態で行い、ペーストはその都度使いきることをおすすめします。
パウダーのままならば、密閉して冷暗所に保存すれば数年もちます。
徐々に染色能力は落ちていきますが、肌への悪影響はございません。

もし、どうしてもペーストの状態で保存したい場合は、
覆いをかけていただければ、数日間の保存が、一応は可能です。
ですが、

(1) ペーストが乾いてしまうことがあります。
(2) ペーストに含まれている水がいたんでしまいます。
(3) ねかせるべき時間(混ぜてから1晩〜1
日程度)を過ぎたペーストは、急速にその染色能力を落としていきます。

以上のことから、ペーストの保存は、最長でも三日間を限度とするのをおすすめします。

保存の温度をどの程度にするかということについては諸説あり、
「いたまないように、密閉して冷蔵庫に入れる」という人も、
「ヘナのはたらきを殺さないよう、常温に保たなければならない」という人もいます。

また、どのような覆いをかけるかということについても複数の意見があり、
「かわいてしまわないよう、ラップをかける」という人と、
「ガーゼなど、空気を通す素材をかけるべき」という人がいます。


ペーストはどのくらいで乾きますか。手に塗ったら、乾くまで何も出来ないのですか?
A.

何もしなければ、塗布後30分〜1時間ほどでほとんど乾きます。

しかし、乾くのが遅くなればなるほど濃く染まるので、完全に乾く前に、レモン汁に砂糖を加えたものをパッティングします。
このプロセスを踏むと、完全に乾くまで一晩ほどかかります。

おすすめは、寝る1時間前に塗布を終え、パッティングまで済ませてから一晩眠るというものです。
朝起きればほとんど乾いていますし、十分な時間もおいたということで、心おきなく剥がし落とすことができます(水に弱いので、洗い流すのは×です)。
お布団が汚れることがご心配でしたら、ゴム手袋をしたり、ラップやトイレットペーパーを巻いたりしてみてください。

眠らずとも、トイレットペーパーやキッチンペーパー、ラップなどで覆いをしておけば、着替えも安心です。

ほか、レモン汁に砂糖を加えた液をパッティングするプロセスを省略すれば、30分〜1時間ほどでほとんど完全に乾き、砂糖でベタベタすることもないため、日常生活への支障を気にすることなくヘナタトゥーをお楽しみいただけます。
ただ、染まり方は多少薄くなってしまいますのでご注意ください。


何色に染まりますか?何日もちますか?
A.

オレンジ色、茶色、赤茶色に染まります。
また、目安として、5日〜2週間で消えるとお考え下さい。

色の出方にも、消えるまでの長さにも、個人差があります。
肌質によっても異なりますし(たとえば、その部位の角質が厚いほうが濃くつき長くもちます)、
様々な工夫をこらすことによっても変わってきます。

試しに、水とヘナパウダーだけで作ったヘナペーストを肌に塗り、色の変化をチェックしてみました。

はがした直後 オレンジに近い。
ブラウニッシュ・ゴールドを明るくしたくらい。
1日経過後 色が暗くなりました。濃く見えます。
ブラウン〜ダークブラウン。
3日経過後 ブラウンが黄色みを帯びてきました。
暗い黄みのブラウン。
5日経過後 少しずつ薄くなってきています。
オークル系の肌色に向かっています。
10日経過後 消えました。


上の実験では、「レモンを加える」「つけてから長くおく」などの、濃くつくための工夫はしていません。
また、長くもつための工夫もしていません。翌日以降、水にもどんどん当てました。
濃くつくよう、長くもつよう工夫した場合に比べ、上の結果は色が薄く、退色も早いと思われます。


腕にも塗ってみたのですが、手の平に比べて色が薄いような気がします。
A.

ヘナは、肌質により発色が異なりますが、
同じ人の肌でも部位によって肌質がかなり異なるため、発色も場所によってかなり違ってきます。
一番濃くつくのは、手の平と足の裏です。指先も濃くつきます。


手の平の場合、古い(製造から2年以上、しかも開封して1年以上が経過した)ヘナパウダーを使い、ポッカレモン+少量のオイルというごく基本的なレシピで、砂糖+レモン汁の塗布も行わずに、いきなりこの発色。
ヘナタトゥーには、何より角質が厚めで、それから毛穴が多くてあたたかくしめっぽい(汗をかきやすい)部位が最適なのです。
逆に、手足の付け根、おなか、背中、肩、腕、手の甲などはうすめにつきます。
そのような場合でも、何日も連続で塗布するなど、工夫することによって十分な発色が望めます。

なお、肌質には個人差がありますので、上述の、部位による濃淡の法則は絶対ではありません。一応の目安としてお考え下さい。


あまり濃くつかないという部分には、柄が見えないほど薄くしかつかないのでしょうか。
A.

以下、
「濃い色のつきにくい手の甲でも、基本的なレシピで、少なくともこのくらいはつく」
「少なくともこれ以上を目指せる」
という目安としてご覧下さい。

製造日から12ヶ月経過した未開封のヘナパウダーを適量とってふるい、
レモンジュースと水と少量のオリーブオイルを加えてペーストをつくり、
それを1日おいてから絵を描きました。
絵の表面が乾いてきたらレモン&砂糖水を一回パッティングして、
そのまま翌朝まで放置してから、はがし落としました。


はがした直後。
白く囲んだ部分が、薄くなりやすい部分です。
オレンジ色の矢印で示しているところは、手の平や指先に近いため、比較的くっきりとついています。
もちろん、手の平ではもっとはっきりとつきますし、
色の定着も早いです。(翌朝まで待たなくてもそれなりの色が出やすいです)


12時間経過後です。オレンジ色から茶色になりました。
基本的にこの色みのまま薄くなっていきます。
色が物足りない場合は、もう一度同じところに塗ると効果的です。


同じ条件で塗ったものですが、こちらは男性の手。
角質の厚い男性の手の方が濃くつきやすいです。
上と同じように、手の平や指先に近い部分が特に濃くなっています。


お客様から、貴重な写真をいただきました。
舞台俳優さんの手に施したヘナタトゥー。


体の部分をご覧下さい。
色のつきにくい部分ですが、強い照明(細かい色は目に見えにくくなる)にもしっかり耐えています。


どうすればもっと濃い色に染まるでしょう。
A.

前述の通り、手の平や足の裏がもっとも濃く染まります。
手の平ではあまり工夫しなくてもオレンジがかった茶色(色の出方には個人差があります)になります。
ヘナタトゥーには、角質が厚めで、それから毛穴が多くてあたたかくしめっぽい部位が最適なのです。
角質の厚さが深く関係するからでしょうか、すべすべの柔肌の部分より、ちょっとガサッとした部分のほうが濃くつきますし、全体としては女性より男性の肌のほうが濃くつきやすいようです。
しかし、工夫すれば、すべすべの染まりにくい部位でも、オレンジ色〜くっきりとした茶色にできます。

■ヘナパウダーは密閉保存しておいたものを使う
できるだけ空気に触れていないパウダーを使って下さい。開封したてのものがベスト。

■ヘナパウダーに加える水分を工夫する
メヘンディのやり方」の中にある「水分を加えて、ヘナ・ペーストを作ります」の項をご参照下さい。
おすすめは、レモンやライムなどの果汁を使うことで色が濃く出るようにし、さらに少量の油分を加えてペーストをなめらかにするレシピです。
ほかにもいろいろ加えて実験してみて下さい。少量のユーカリオイルを加えるのも良いようです。
また、化学物質が入ったままの水道水よりも、湧き水や雨水の方が濃くつくという説もあります(当店では未確認です)。

■塗ったペーストが肌に密着していないようなら、ペーストをもっとやわらかくし、線も太くする
メヘンディのやり方」の中にある「水分を加えて、ヘナ・ペーストを作ります」の項をご参照下さい。
レモン&砂糖水を塗ったとき、ペーストが肌から浮き上がっているようであれば、ペーストに水分や油分を加えてやわらかくなめらかにし、さらに描く線も太めにすることで、ペーストがより肌に密着するようになり、発色もよくなります。

■ペーストを作ってすぐに描き始めない
メヘンディのやり方」でご説明しているように、ペーストを作ったあとに時間をおくことが大切です。このプロセスを行うのと行わないのとでは、発色が全然違います(実験済)。
おく時間は、最低一晩から48時間までと言われます。6時間と30時間で比べてみると、30時間おいたときの方が濃くついているようでした。逆に、長くおきすぎると染まりません。85時間経過後には、染色能力はかなり落ちていました。

■温度を高く保つ
肌があたたかく保たれ、毛穴が開いているほうが濃い色になります。
描いているときに体が冷えてしまわないように注意し、ペーストを乾かしている間も冷房などをつけずにおくか、暖房などに手をかざすなどの工夫をしましょう。

■描いたあと、レモン+砂糖の汁を塗布する
詳しくは、「メヘンディのやり方」をご参照下さい。
レモン果汁が色を濃くします。
また、砂糖が水分をたくわえてくれますので、ペーストが剥がれ落ちてしまうまでの時間を長くできます。

■ペーストをできるだけ長い時間つけたままにしておく
レモン+砂糖の汁を塗布して乾かないようにしながら、できるだけ長い時間はがれおちないように工夫して下さい。夕方までに塗って、夜までかけて表面を乾かし、さらにそのまま眠ってしまって翌朝以降に落とすのが理想です。

■毎日同じ場所に描く
毎日同じところに描き続けることで、十分に濃くできます。
はじめは薄いオレンジ色→ごく薄い茶色にしかつかなかった部分でも、
3〜4日連続して塗っているうちに、こげ茶色にまでなりました。



つけた直後が、一番色が濃いのですか?
A.

もっとも色が濃くなるのは翌日です。
12時間ほど経過した頃から、オレンジ色が茶色に変化してきます。
そのあと、次第に薄くなり、消えます。


肌についたヘナの色は、ちゃんと消えますか?
A.

ヘナは皮膚の表面だけを染めています。
新陳代謝で肌が生まれ変わるときに、古い角質が剥がれ落ちるのに伴って、ヘナの色も消えます。
肌への害もありません。


爪につけたヘナの色もすぐ消えますか?気軽につけて大丈夫?
A.

肌と異なり、爪についたヘナの色はなかなか消えないのが普通です。

肌の場合、内側から外に向かって新陳代謝が行われ、古い角質は数週間ではがれおち
ます。
しかし、爪の新陳代謝は根元から起こります。新しい爪が古い爪を押し出すまでには半年以上かかると言われますが、その間はヘナの色も消えないのが普通です。
(数ヶ月経つと、爪の先端のほうだけが染まっている感じになります。)

インドでは爪を染めることもありますが、それでも「爪にも塗る?」と確認してから塗っている様子。
気になる方は、塗っているときに爪にペーストがつかないようご注意下さい。


出来るだけ早く消したいのですが、どうすればいいですか?
A.

ヘナは皮膚の表面を染めているので、あまり急激には退色しませんが、
洗い物や庭仕事をしたり、お風呂やサウナに入ったりするなど、
水にさらす回数を多くするほど、早く退色します。
汗を布でギュッとぬぐうなどの刺激も効果的です。


お気に入りのデザインが描けました。消えないようにはできますか?

A.

消えかけたデザインをなぞるように、もう一度メヘンディを施すという方法があります。


レモンやライムなどを混ぜると本当に色が濃くなるのですか?

A.

なります。
かぼすで実験を行いました。

 
オリーブ色(dark yellow)のヘナパウダー(「Brite」)を使用。
ヘナパウダーはAからDの容器に分け、それぞれ以下の水分を加えて練りました。
オイルは使用していません。
 

(A) 湯
(B) あたたかいコーヒー
(C) 湯とかぼす
(D) かぼすとあたたかいコーヒー

 

混ぜると色が… 左写真の下は、一時間後の様子です。

A(湯)とB(あたたかいコーヒー)でといたヘナは、左下の写真のような色になりました。
暗い黄みのブラウン(dark yellowish orange)と、もとの色よりも茶色に近づいています。

C(湯とかぼす)とD(かぼすとあたたかいコーヒー)でといたヘナは、右下の写真のような色になりました。
色は、もともとのパウダーの色であった、オリーブ色のまま。色が暗くなっただけで、色自体に変化はみられません。

どちらも、空気に触れている面は、より茶色に近い色(チョコレートムースのような色)に変色していました。

数回混ぜながら、ティッシュをかけて放置。
19時間後、ペーストを混ぜなおしてから肌に塗布。
油やレモンや砂糖などは塗らずに放置し、
5時間後、ペーストをはがしました。

〔かぼすの効果→大〕
 

A(湯)とB(あたたかいコーヒー)よりも、
C(湯とかぼす)とD(かぼすとあたたかいコーヒー)の方が、明らかに、鮮やかに濃く、くっきりついていました。
かぼすの果たした大きな効果が認められます。

〔コーヒーの効果→?〕 

CとDの間には、今回は差異は認められませんでした。
AとBを比べると、ほんの若干、B(あたたかいコーヒー)の方がくっきりついているようでした。
1日経ってからもう一度比べると、
B(あたたかいコーヒー)の色は、CやDと同じく、より茶色に近づいていましたが、
A(湯)の色はオレンジ色からあまり変化していませんでした。
濃さも、AよりもBの方がくっきりとついていることが見てとれました。


以上のことから、
「レモンやライムやかぼすといった、酸っぱい果物の汁を入れることが、発色に大きくかかわっている」
と示唆されます。
水やお湯のかわりにコーヒーを使用することは、レモン等を使うほどの絶大な効果は望めないまでも、
より色を濃くする方向にはたらくことも、ゆるやかに確認されました。


メヘンディはインド発祥なのですか?
A.

ヘナによる体の装飾は、紀元前のエジプトでおこったという説が有力です。
紀元前のエジプトでは、ヘナを使って、指先・爪・手の平・腕・足の裏・脚を染めていました。
エジプトの支配者一家がミイラになるときには、次なる世界に備え、爪をヘナで染めたようです。
紀元前1300年ごろのエジプトの王ラムセス2世の墓でも、爪や足の裏、手の平、髪の毛がヘナで染色されているのが確認されています。ミイラの体を覆う布もヘナで染色されています。

それから、モロッコ・スーダン・エジプトなどの北アフリカ、東南アジア、インド、パキスタンなどに伝わったといわれています。
そして現在でも、いろいろな国でメヘンディは行なわれています。

ヘナの様々な呼び方
言語 名称
アラビア語 henna
al khanna
ベンガル語 mehedi
ベルベル語 lhenni
エジプト語 pouquer
ペルシア語 hina
ヘブライ語 kafer
kopher
ヒンディー語 mehendi
mehandi
mehari
ジャワ語 pachar kuku
ラテン語 camphire
サンスクリット mehandika
sakaohera
スマトラ語 inai parasi
タイ語 tien kao
トルコ語 kina
西インド諸島 mignonette tree
イエメン shazab
トルコの「kina」については、
高橋 由佳利さんの「トルコで私も考えた」4巻に
「クナの夜」のエピソードが掲載されています。

手の平の中心を丸く染めるのは、
染料こそ異なりますがインド舞踊にもみられることで、
興味深いです。

インドにメヘンディがいつ伝わったのかは、定かではありません。
「インドにはエジプトのようには人生の記録を残す習慣がない(なかった)ため、最古の証拠が見つからないだけで、メヘンディはインドが発祥に違いない。先史時代から、インドではメヘンディをやっていて、それがエジプトに伝わったのだ」と主張する派もあります。

アジャンタ・エローラ石窟遺跡にみられる「パータリプトラ王女」の手足には、もう、ヘナで花のデザインが施されています。
また、千年単位の昔に、お祭りのときに女性たちが手をヘナで飾っていたらしいということもわかっています。


メッンディ?メハンディ?メヘンディ?
A.

日本では、「メヘンディ」と呼ぶのがもっとも一般的かと思いますが、
「メッンディ」や「メンディ」、「メハンディ」と呼ぶ人もいます。

インドのアルファベット表記を観察していると、Mehendi、Mehandi、Mehndiが混在している様子。
ただし、インドで出版された書籍の場合、その多くが「Mehandi(メハンディ)」と綴られているようです。

本家Yahooで検索(2005年)してみますと、

Mehndi … 340,000件
Mehandi … 43,700件
Mehendi … 64,500件

と、「Mehndi」が圧倒的に優勢なのですが、

Google Trendsを調べたところ(2006年)、
「Mehndi」の検索数を稼いでいるのはパキスタンであることがわかりました。

●mehndi ●mehandi ●mehendi

1. Pakistan
2. India
3. United Arab Emirates
4. Hong Kong
5. United Kingdom
6. Canada
7. Singapore
8. United States
9. Netherlands
10. Australia

1. Lahore Pakistan
2. Rawalpindi Pakistan
3. Islamabad Pakistan
4. Karachi Pakistan
5. Bradford United Kingdom
6. New Delhi India
7. Mumbai India
8. Delhi India
9. Mississauga Canada
10. Chennai India

インドでは、どの表記方法も同じ程度に使われているようです。

そこで当店では、
アルファベット表記の際は、インドの大手出版社が多く採用していると思われる「Mehandi」を使い、
カナ表記の際は、日本でもっとも通用していると思われる「メヘンディ」と書かせていただいております。


何故、結婚式でメヘンディを施すのですか?
A.

婚礼のときに花嫁の手に施される、複雑で細かくて美しい、レースの手袋のようなメヘンディ。
何故、結婚式でメヘンディを施すようになったのでしょうか。

これについては、たとえばこのような説があります。
インドにイスラム教徒が入ってきたのち、未婚の処女がイスラム教徒に誘拐されるようになった。
それで、未婚の処女と区別をつけるために、花嫁にメヘンディを施すようになった、というものです。

また、ヒンドゥー教徒は、
「メヘンディーは、富と繁栄の女神ラクシュミーに関連している」
と考えています。
「メヘンディーの美しい模様は、女神のような愛と献身の精神を象徴する」
という人もいます。
赤はインドでは大変めでたい色です。手の平などは外界とつながる神聖な部位でもあります。インド舞踊の踊り手や、絵画の中の女神も、手の平や足の裏を赤く染めています。
かの有名なカーマスートラでも、すべての女性にメヘンディをすすめています。

ほか、メヘンディは「邪悪なものから身を守る」とも考えられてきましたので、その関連も見過ごせなさそうです。

インドの結婚式では、出席者は互いに自分の手の平を見せ合い、メヘンディの美しさを褒めあいます。
なかでも花嫁のメヘンディは特別で、何時間もかけてプロ(女性)が描きます。
婚礼後、花婿が花嫁のメヘンディを褒めるそうです。
花嫁のメヘンディのどこかに花婿のイニシャルが隠れており、花婿は夜にそれを探す(そして仲良くなる)なんてこともあるとか。

花嫁のメヘンディの色は、濃く出るほど、夫から強く愛される(もしくは、自分の愛が強いという意味あいのところもあるようです)とされています。
花嫁は、結婚後はしばらくは家事もなにもしないでよいのですが、メヘンディは水仕事をすると早く退色するため、花嫁のお母さんが様子を見にきたときに、花嫁の手のメヘンディの色がきれいなまま残っているかどうかで、家事をさせられずに大事にされているかどうかをチェックできる、という話も聞きます。

アラビアのことばに、「ヘナは祝いごとに、幸せになるために、美しくなるために、自分を守るために使う」というものがあります。
このことばからだけでも、ヘナがさまざまな意味を内包したものであることは、想像に難くありません。


ヘナは薬として使われていたこともあるのですか?
A.

髪を染める・トリートメントに使うといった用途は現代日本でも有名です。
ほか、伝統的に、いろいろな用途がありました。
中でもその薬効に着目した用途は多岐にわたります。

ヘナにはクマリン・フラボノイド・ステロール・タンニンなどが含まれ、
殺菌消毒・収斂・抗菌・抗真菌・鎮痙(リラックス)・解熱・部分的日焼け止め・焼けた肌を落ち着かせるなどの効果があります。ヘナから抽出されるアルコール分はサルモネラ菌や大腸菌などいくつかの病原菌への耐性をもちます。
インドや北アフリカ、中東では、ヘナを、傷口、かるい火傷、虫さされ、爪の真菌、水虫、にきび、はれものなどに塗ってきました。
マレーシアでは、かすれ声や乾燥した喉をなおすのにヘナを煎じた汁でうがいをします。また、下痢や赤痢をやわらげるためにヘナ茶が飲まれます。
インド・ネパール・ジャワ島には、くだいたヘナの葉とクローブオイルを入れた冷たい液体をヘルペスの患部に塗る地方があります。
また、クウェートやペルシャ湾の真珠貝採取潜水夫は、船をこいでいて手の平があたたまって汗をかくことにより水ぶくれができやすいので、手の平を冷やすためにヘナペーストを塗ります。
インドの人々も、体の熱を逃がす目的で手の平や足にヘナをつけていました。


海外で、動物にヘナのような色がついているのを見かけました。
A.

ヘナは、人の髪・爪・肌などを染めるだけでなく、
白い馬のひづめやたてがみ、尾を染めるためにも使われてきました。
また、所有者をあらわすために、ラクダ・ロバ・牛にも、ヘナで印をつけることがあります。
動物以外にも、シルクにウール、革などを染めたり、
カゴ、バッグ、マットなどに用いたりもしてきた歴史があります。


伝統的なデザインは、国や地域によって異なりますか?
A.

異なります。

インドのメヘンディ・デザインのモチーフで代表的なのは、鳥や植物などです。
細かいペイズリー模様、レースのような狭間飾り、孔雀、マンゴー、葉っぱ、ハート、顔などの、装飾的な
デザインが特徴です。

イスラム教徒はふつう、動物や人間を描きません。
北アフリカの山地・砂漠に住むベルベル人のメヘンディは、太い幾何学模様に複雑な点、波状の線が特徴です。遠くからでもよく見えるデザインで、風景や宗教が反映されています。
アラビア半島の人々は、植物のつるや渦巻き、花などを描くことが多いです。

1850年ごろのペルシアでは、胸部からへそにかけて、鳥・木・動物・星・太陽・月などを描いていました。
(もちろん髪を染めるのにも使っていましたし、男性はあごひげや爪、手足などを染めるのに使っていました)

同じ頃のエジプトでは、女性たちが足の裏、手の平、それから爪に、しま模様を描いていました。


道具は、国や地域によって異なりますか?
A.

異なります。

インドのメヘンディで使うのは、ビニル製のコーンか、先の丸い爪楊枝。
メヘンディのアーティストは、普通、コーンを使います。
なめらかで優美な線になるのが特長です。

北アフリカのベルベル人(ヘナアーティストのことをnegassahといいます)が使う道具はもっとシンプルで、先をとがらせた小枝、ステンシル(細く切ったテープを貼ってダイヤ形、三角、四角などを描いたりする)などです。

アラビア半島では、mishwakという小枝のようなスティックや爪楊枝、アイメイクに使うコール墨のスティックなどを使います。

魚の骨、鳥の羽、マッチ棒、ヤマアラシのかたい毛を使うところもありますし、
もちろん、指を使うこともあります。

ビニルや紙製のテンプレートや、シールタイプのステンシルを使う場合もあります。

 

 

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