まず、「チョーパル」の説明からはじめなければなりません。
「チョーパル」とは、「マハーバーラタ」にも出てくる、チェスの原型といわれるものです。
チェスのように相手のコマをカットしながら、すごろくのようにゴールに向かって進んでいきます。
ただし、カットされたコマがチェスのように「死ぬ」ことはなく、
スタート地点からやり直しになるので、ゲームがなかなか終わりません。
最大で4人が日がな一日遊べるため、大人たちのいい暇つぶしになっていたとか。
現代インドでは、時間を惜しむ風潮が生まれ、
このような時間のかかる遊びはあまり好まれなくなったようですが、
「小さい頃、親族の大人たちがみんなで一日中やってたなあ。楽しそうに叫んだり笑ったりしてた」
そんな証言は、よく聞かれます。
↑旧市街の男性に見せてもらった「チョーパル」です。
真ん中のゴールの部分が袋状になっていて、
コマや、サイコロがわりに使う貝を入れておけるようになっていました。
現在では、基本的にアンティークでしか入手できない「チョーパル」。
譲ってくれないかと持ちかけてみましたが、
「母の思い出だから」と言って、大事そうに棚にしまうのでした。
さて、「ルードゥー」は、その「チョーパル」を少し簡単にしたものです。
四隅にある四色の大きな四角は、コマ置き場です。
それを除けば十字の形となり、「チョーパル」とよく似ていませんか?
原色の色彩感などが、現代インド人の好みにも合うようで、
食器を載せるお盆がこの柄になっていたり、
テーブルクロスがこの柄になっていたりします。
「チョーパル」と「ルードゥー」の遊び方は(地域差はありますが)同じです。
ただ、ます目の数が「チョーパル」は3×8、「ルードゥー」は3×6ですので、
「ルードゥー」の方が少し早く(1時間〜数時間で)終わります。
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